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2008年 05月 28日 ( Wed)
iconicon【 アルジャーノンに花束を 】icon
読了しました。
この本、原作を読んだことがなかったんです。
中学生のころ、演劇に使用した台本を読んだことがあったのと…あとはその劇のビデオを見たことがあるってくらいで。
なので、大筋はわかってたんだけどね。
改めて原作を読んでみると、感想も少し違ってくる。

中学生のころと、30を目の前にした今では年齢も違うし経験してきたことも増えているから・・・
当時の私は、ただただ「かわいそう」とか「理不尽だ」とかっていう、ホントに簡単な感想しかなかったような気がする。
でも、今読んでみるとそれだけじゃないなって思った。

じき33歳の誕生日を迎えるチャーリイは、知的障害者。
「賢くなりたい」という思いが強く、読み書きも習いに行きながらパン屋で一生懸命働いている。
そんなチャーリイは、大学の教授らに「頭の良くなる手術」をすることを持ちかけられ、当然のように喜んでやって欲しいと願う。

実際にチャーリイは高い頭脳を手に入れるが、それは最悪のリスクも伴った。
同じ手術を施されたラットのアルジャーノンは、みるみるうちに知能が低下し、死に至る。

手術後に徐々に賢くなっていくときには実感できなかった知能の変化、高い知能も持ってしまったあとに低下する様は、嫌でも理解できてしまう。
きっとチャーリイは手術したことを後悔はしてないだろう。
知らないほうが幸せだったことを知ってしまっても、職場を追われても・・・人よりも早く知能が老化していくことを知っても。

30数年願い続けた「賢くなりたい」という彼の希望は、短い間だとしてもちゃんとかなえられたのだから。

本の最初と最後・・・つまりチャーリイが知的障害者である時と、知能が老化しはじめてから先の記述は読むのが大変。
「経過報告」としてチャーリイが書いたようにまとめられたこの本は、中盤の賢いチャーリイが書いた文章以外の部分は非常に読みにくい。
ひらがなが多く、句読点も適当だったり無かったり…

だけど思う。

難しい言葉を知らなくても、拙い文章でも、その文章の中に感じられる優しさや暖かさは伝わってくる。
中盤のチャーリイの文章は、小難しくてしっかりとした文章だけど、利己的・・・というか少しわがままで他人を思いやらないような文章にも感じる。
賢くなったことで、人はこんなにも内面も変わってしまうのかしら?
賢いことはすばらしいけど、それだけじゃきっと幸せとは言えないんだろう。

この作品、「幸せ」のあり方を見せられているような気がします。
知的障害を抱えたチャーリイは幸せだったのか?
ズバ抜けたIQとなったチャーリイは幸せだったのか?
実験に使われ、死んでしまったアルジャーノンは・・・?

多分、どんなかたちが「幸せ」なのかは人それぞれ違うと思う。
頭が悪くたって幸せじゃないとは限らないし、頭がいいから幸せとも限らない。
私はずっと「賢くなりたい」と思い続けて生きている。
知的障害なんて無いけれど、知識に対してはおそらく貪欲なほうだと思う。
賢いことがスキルだと思っている部分が少なからずあるんだと思う。
知的障害者を馬鹿にしたようなことは無いけれど、同情をすることはある。
彼らは彼らなりに幸せなのかもしれないのだから、そんなものは不要なんだろうけど。
自分の物差しで人の幸せは計れないんだから。

この本を読んで「泣ける」という感想を持つ人は多いんだろうと思う。
でも、私は「泣けない」。
こんなに考えさせられることがたくさん詰まった本を読んで、泣いている暇なんか無かった。
普段よりずっと読むのに時間もかかって、よくよく考えながら内容を理解するようにじっくり読んでたら、ホントに泣けなかった。

チャーリイも、アルジャーノンも、可哀相だとは思わない。
きっと、彼らには彼らなりの「幸せ」もあったんだろうと思うから。

なんだかよくわからない感想文になっちゃったけど、これは読んだことがなければ一度くらいは読んでみるとイイと思う。
きっと沢山の思いや考えが、頭の中でいっぱいになると思う。
「自分にとっての幸せとは?」ということを考えるきっかけにもなると思うから・・・さw

セブンアンドワイ
コメント
この記事へのコメント
アルジャーノンに花束を。
懐かしいなぁ。もう一回読み返そうかなって思いました。
(*・ω・)(*-ω-)ぅんぅん 、幸せのあり方とか、いろいろ考えさせられるお話だよね。
このお話は何度読んでも涙が・・・。
2008/05/28(水) 14:38:19 | URL | narumi #-[ 編集]
私も高校生の頃に読んだよ♪
月神さんの感想を読んで、「懐かしい」と思っちゃった。
そのときの自分の感想はもう忘れちゃったけど、
「可哀想」とか「感動」と違った何らかの余韻に
浸ってたはず。
その後、ダニエルキイスの他の作品も読みふけってたし、
書き手としてのダニエルキイスに興味を持ったのよね♪

ダニエルキースの作品なら「24人のビリー・ミリガン」も
面白かったよ(*´艸`*)
2008/05/29(木) 17:29:28 | URL | りんりん #-[ 編集]
narumiさん・りんりんさんへ♡
narumiさんへ♡
narumiさんも前に読んでるんですね♪
泣けたんですね~・・・私は泣く暇も無かったですwww
いっぱいいっぱい考えすぎて泣けないって・・・どんだけ噛み砕こうとしてるんだかΣ(ノ∀`*)ペチッ
「何が自分の幸せか」ってのを考えるなんてあまりしてこなかったけど、これ読むとそれを真剣に考えたくなる・・・みたいな感じでしたぁ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
りんりんさんへ♡
りんりんさんも読んでたΣ(゚Д゚ノ)ノ
やっぱかなりの有名作品なんですよねぇ。
高校くらいで読んでる方って多いですよね? こういう内容の本って推薦図書とかにもなりやすいからですかね?w

可哀相・・・って、私も学生のころに内容を知ったときにはそう思いました。
けど、多分可哀相ではないんですよね。
彼はあれで幸せだったんだろうって思いたいですね、今は。
感動はありますね~。 個人的には特に最後の方が・・・徐々に知能が戻って、どんどん平仮名が多くなるに連れて、もともとのチャーリイの持つ「優しさ」が文章に表れてきて・・・(涙

「24人のビリーミリガン」って、心理学のゼミで参考図書か何かに挙げられてて一度読んでみたかったんです。
すっかり忘れてたんですけど、「アルジャーノン~」の巻末にダニエルキイスの作品が色々載ってて、そこにあるのを見つけて「この人が作者だったのか?!」ってwww
当時著者の名前も聞いてたはずなのに、ホントすっかり・・・w
今度是非読んでみようと思ってます(*´σー`)エヘヘ
2008/06/02(月) 07:51:32 | URL | 月神 #GJGQSZXM[ 編集]
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